子育てママの相談室

子育て頑張りすぎていませんか? 赤ちゃんの気持ちに気付いていますか?
子育てママの相談室から助産師・福田純子が 楽しい子育てを応援する小さなエッセイお届けします。
うれしいことも悲しいことも楽しいことも苦しいこともみんな人生の宝物。

母乳のこと

「母乳で育てたい」

赤ちゃんを母乳だけ育てたい・・・それは当たり前のママの気持ち。
だから母乳が出るようになるまではミルクを与えないでと希望するママもいます。
逆に母乳で育てたいけど、母乳が出るようになるまでは適当にミルクを追加して欲しいと希望するママもいます。
どちらのママも赤ちゃんにとって、よりよい選択をしたいと願っています。
どちらが、赤ちゃんにとって、より良いのか・・・
赤ちゃんはママの母乳で育つ権利があります。
なぜなら、母乳には、赤ちゃんが生涯持ち続ける免疫の基礎や適正に育つための栄養が最高の状態で備わっているからです。
赤ちゃんを清潔に、最高の状態で育てる第1条件が母乳だから。
また赤ちゃんはママに大切に育てられる権利がありママには赤ちゃんを大切に育てる義務があります。
赤ちゃんにとって母乳で育てられることは当然のことであるはずですが、なかなか、その当たり前の条件が満たされないことが多々あります。
それは何故でしょう。
赤ちゃんを母乳だけで育てようとするとき、最も重要な要素はママが、あるいはママを取り巻く周りの人たちがどれだけ母乳で育てることが重要であるかを知っているか、ということ。
ママが母乳の重要性を理解していることは大事ですが、ママの頑張りや思いだけでは、思い通りの母乳育児をしていくことは困難なことがあります。
母乳は最初から赤ちゃんの要求を満たせる程に出る訳ではなく赤ちゃんが飲むから出るのであって、その間はちょっとお腹が空いて泣いてばかりだったり、頻回授乳で対応しなければならなかったり、そうするとママが頑張ろうと思っても、周りがワイワイ言い始めます。
 
「そんなに母乳にこだわらなくても・・・・」
「母乳が足りないんだから、ミルクをあげたら・・・?」
「そんなに泣かせたらかわいそう・・・」
母乳で育てるのは当たり前のはずなのに、母乳で育てることが、なんと難しくなってきてしまったのか・・・
ママの味方であるはずの助産師までもが、ママの母乳育児への意欲を削いでしまうような言動をしていることもあり
出産施設の設備的に母児同室や夜間授乳ができなかったり・・・
本来、自然に産まれた赤ちゃんは、お弁当をもって産まれてきますから生後2~3日は母乳が足らなくても大丈夫と常々思ってはいますが
赤やんが産まれてくる条件は個々に異なっているので一概に、どの赤ちゃんも母乳だけで大丈夫とは言えないのが現状です。
予定帝王切開や誘発で予定日より早く産ませてしまったり、早産だったり、赤ちゃんに十分な準備がないまま生まれてくることもあります。
それでも、生まれてきた赤ちゃんは生きるために必死で頑張ります。
そして、ママに優しく抱かれておっぱいを飲みたいと願っています。
母乳で育てたいママの思い、母乳で育ちたい赤ちゃんの思い・・・
ママと赤ちゃんの思いを大切にできる助産師でいたいと思います。

出産前のおっぱいの手入れについて

出産前のおっぱいの手入れについては様々な意見があります。
しっかり行ったほうが良いとか、必要ないとか、、乳房は触らないとか、乳房もしっかりマッサージするとか、それぞれの経験に基づいて指導がされています。
 
多少は科学的根拠に基づいている場合もありますがほとんどは実際の結果をみて、こうしておくほうが良いという場合がほとんどです。
目的地は一緒でもたどり着くルートや方法は様々。
先に通った人や客観的に見ている人が良かれと思ってアドバイスしたことが、結果的に実を結べばOK。
 
結果的にうまくいかなかった場合、他の方法だったら良かった、ということもあるでしょうし、他の方法ではもっと残念な結果だという場合もあります。
ただ時間は同じように流れているので、元に戻って違う方法を試すことはできませんね。
 
二人目、三人目であれば、自分の中での比較ができるので参考になりますが初めてであれば同じお手入れをしていたにも関わらず、AさんとBさんでは結果が異なります。
 
アドバイスを受けたとき納得したら、信じて実践してみましょう。
あとで、あのときこうすれば良かったと、後悔するのは辛いので母乳育児を成功させるためにはある程度、情報収集も必要です。
おっぱいのお手入れを十分にしていて、とても形もよく柔らかく理想的な状態であっても、抱っこがうまくできなかったり赤ちゃんが小さかったりして、授乳に戸惑うことも多々あります。
 
そういう意味では、おっぱいの手入れが全てを決めるわけではありません。
私見では、
①出産前は乳房は触らない。
②乳頭の汚れをオリーブ油などできれいにしておく。
③乳頭を形よく整える
扁平や陥没乳頭の場合はひっぱりだしながら
乳輪全体が柔らかく赤ちゃんの口にフィットするように
この3点が押さえられていれば、まず大丈夫。
切迫早産で出産前のお手入れができなかった方でも
陣痛が起きてから行っても十分間に合うお手入れです。
何より赤ちゃんに母乳を与えたいという気持ちが一番大事。
そのために出きる限りのことをしておく、それで十分だと思います。
 
できることには限りがあるのだから出来ない事を悩んだり、不安になったり、後悔したりしないで赤ちゃんの為にできる限り・・・それがママの気持ち。
 
その気持ちは赤ちゃんに伝わっていくと思いますよ。

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