母乳で育てる意味

数回前から内容同じでブログも始めていますが、そちらに届いたメール。

母乳育児を進めていくのに、みんな「頑張れ、頑張れ」と言うだけで
具体的な方法や注意点を指導してくれない、
気持ちはあっても、具体的にどう頑張ったらいいかわからない。
気持ちだけでは続かない・・・・

確かにそうですね。
ほとんどの方が、母乳で育てたいと思っています。
でも、その思いの深さは様々です。
なんとなく母乳が良いらしい、できれば母乳でと思っている方もいれば
何が何でも母乳、ミルクは一切与えたくないとこだわっている方もいます。
自分は母乳にこだわっていないのに、周りからなぜ母乳にしないのかといわれたり、
その逆で、別に母乳にこだわらなくてもいいと言われたり・・・
そのいろいろ「周りで言う人たち」は親であったり、友人であったり
病院の医師や助産師、保健センターの保健師といった専門家であったり。

人それぞれに母乳や育児への思い入れが違うので、同じアドバイスでも
励ましになる場合もあれば、負担になる場合もあります。
また、アドバイスする側の考え方も様々ですから
同じ状況でも様々な結果に結びついていきます。

ただ、どういう状況であっても、子供を育てるうえでの基本は
親も子も「幸せを感じられること」です。
子育てしていく上では、面倒なことも、うんざりすることもあるけど、
静かに現状を見つめてみると、やっぱり幸せだなあ、とか楽しいなあと
感じられる子育てでありたいと思います。
ママが子育てを楽しめると子供も嬉しくなりますね。
子供はママが大好きです。
ママが子育てに疲れイライラしてしまうと、子供は、その原因である「自分」の存在を
「大好きなママを苦しめている自分」と否定的に捉えてしまい、
自己肯定感が育ちにくくなります。

子供の体が育つためには適切な栄養が必要ですが、人は体だけの存在ではありません。
心も同時に育っていきます。
母乳は体の栄養でもありますが、心の糧でもあります。
良い母乳であるためには、ママも栄養的にバランスの取れたもので
しっかり体作りがされることが必要です。
心を育てるためには、赤ちゃんが母乳を飲むたびに安心できることが大事です。
ママに抱かれて安心し、美味しい母乳を飲むことで
赤ちゃんの脳の中で成長刺激ホルモンが分泌されて、体も心も成長できます。

母乳であることだけにこだわり、疲れてイライラしながらの授乳や
テレビをみながら、あるいは携帯で電話やメールしながらの授乳は、
心ここにあらずで、赤ちゃんに不安を与えます。
赤ちゃんには

*「安心しながらおっぱいを飲む」ことが何より大切なこと。


母乳育児を啓蒙し、母乳にこだわって欲しいと願う私ですが、
様々な方法をアドバイスしながらも、方法論にこだわって
一番大切なことを見失っては本末転倒。
是非是非、「赤ちゃんが安心できること」から全てを始めましょう。
それでないと何のために頑張るのかわからなくなって
ただただ頑張れのエールのなかで自分自身が疲れてしまいます。

完全母乳でも、混合でも、ミルクでも、
赤ちゃんが心身ともに健やかに育っていることが大切。

日本の粉ミルクは衛生的に作られているし水もきれいなので安心です。
それでも母乳が推奨されるのは「ママのおっぱいを飲む」
という行為が赤ちゃんの脳を刺激し、食欲を育て、
赤ちゃんの唇にふれるママの体温や柔らかな肌の触感が
赤ちゃんの感性に働きかけて、赤ちゃんに安心感を与えるためです。

母乳で育てようと思ったときからの悪戦苦闘の中でのママの思いは
実は赤ちゃん自身がママを育てていること。
他人事みたいで恐縮ですが、大いに悩んで考えて試行錯誤してみてください。
その中で、自分と赤ちゃんのテンポを見つけることが大事なんです。
子育ては、そんなことの連続です。
そのなかで具体的に出てきた質問には的確なアドバイスが受けられるはずです。

きっと周りからの「頑張れ」の中には、そうした思いがあるのだと思います。