子育てママの相談室

子育て頑張りすぎていませんか? 赤ちゃんの気持ちに気付いていますか?
子育てママの相談室から助産師・福田純子が 楽しい子育てを応援する小さなエッセイお届けします。
うれしいことも悲しいことも楽しいことも苦しいこともみんな人生の宝物。

2009年11月

新生児黄疸と母乳

どの赤ちゃんも生まれたときの血液は、母親の胎内にいたときの
胎盤を通して赤ちゃんに流れていた母親の血液です。
生まれてくると赤ちゃんは臍帯を切られて、独立した存在になります。
血液も赤ちゃんの体の中で作られ始めます。

胎内にいたときの血液は壊れて、新しい血液に代わっていきます。
その壊れていく血液の代謝産物が皮膚を黄色に染めるビリルビンです。
本来肝臓で処理されるはずが、未熟な赤ちゃんの肝臓機能が
壊れた血液の処理に追いつかず起こる現象ですので、
たいていどの赤ちゃんにも見られます。

赤ちゃんは生後数日すると黄疸が出てきます。
ビリルビンが皮膚を黄色く染めているのです。
多かれ少なかれ、どの赤ちゃんも黄疸は出てきます。
黄疸の程度は様々ですが、もともと黄色人種である日本人は
白人より強く出てきます。
その指数は生後日数によって異なります。

簡単に調べる方法として光がピッと出る機械をおでこに当てて
指数をはかる方法があります。
見た目の黄色とほぼ一致します。
皮膚の黄色い度合いが強い場合は血液検査で確認します。

黄疸の程度が基準内なら生理的新生児黄疸です。
黄疸の程度が基準を超えた場合は、治療の必要があります。
脳の細胞まで黄色に染まって脳の障害を起こすことがあるので
その場合は、皮膚に紫外線を当てる光線療法と呼ばれる治療をします。
また、しっかり哺乳量を確保して便からビリルビンを排泄させることが必要です。

母乳の中には黄疸を強くする因子が含まれるため
母乳で育てている赤ちゃんのほうが黄疸は強く出る傾向があります。

そのため、以前は黄疸が出てくると母乳を中止して
ミルクにするよう指導されることが多かったようです。
しかし母乳性の黄疸は、長い期間続きますが、
見た目ほど血液検査の指数は高くない場合があります。

そのため今では黄疸が強くなっても母乳を続けるのが一般的です。
黄疸のために母乳を中止する必要はありません。
ただ保育器内で光線療法をする場合は、できるだけ光線療法の中断を避けるため
直接の授乳ではなく、搾乳した母乳を与えることになります。
ベッド型の光線療法は背中から光線をあてるので、直接授乳が可能です。

どちらにしても、黄疸が強くなったからといって、
それが母乳を中止する理由にはなりません。

健康な赤ちゃんを産むために~胎盤と臍帯~

生まれるまでの赤ちゃんは、胎盤を通して
母親の血液が赤ちゃんに送り込まれていました。
胎盤を通過することで母親の血液から赤ちゃんの血液に変わるわけで、
胎盤から赤ちゃんにいく血液は酸素を十分に含んだ新鮮な血液で赤ちゃん用。

ママの体内に生存しながら、
赤ちゃんは子宮というまったく別の宇宙に生きていて
血液型も違えば血球の一つ一つに描かれた遺伝子も違います。

赤ちゃんは胎内で生きるために必要な血液を取り込み
不要なものを送り返します。

ちょっと専門的になりますが・・・

人の心臓から抹消に離れていく血管は動脈で酸素と栄養分を含みます。
逆に心臓に戻る血管は静脈で酸素の少ない老廃物を含んだ血液です。

赤ちゃんは臍帯で胎盤につながり、胎盤には母親の血管が入り込んでいます。
臍帯の血管の呼び名は赤ちゃん側から呼ばれるので
赤ちゃんから母親に行く血管は臍動脈で2本あります。
赤ちゃんの体に入ってくるのは臍静脈で1本あります。
ただし、中身は逆で臍動脈には赤ちゃんからの老廃物を含む静脈血。
臍静脈には酸素と栄養物をいっぱい含む動脈血が流れています。
その3本の血管が半透明のゼリー状の膜に包まれているのが臍帯です。

胎盤は赤ちゃんの命の源、臍帯は命綱です。
その胎盤や臍帯が元気でエネルギーに満ちたものであるためには
妊娠する前からの母親の健康状態や栄養状態が良好であることが大切で
タバコやアルコールは受精して着床したところに創られる胎盤の状態を
著しく悪いものにします。
粗悪な胎盤や臍帯で育った赤ちゃんは、生まれてからの状態を悪くしてしまいます。

健康な赤ちゃんを産みたいと願うなら、妊娠する前の生活習慣を大切に
食生活を含めた自分自身の体調が良いときに妊娠したいものです。

出産後、余力があったら是非、胎盤と臍帯をみせてもらってください。
胎盤と臍帯がしっかりしているなら、赤ちゃんが小さくても大丈夫、
元気に育ちます。
赤ちゃんがとてもぷりぷりして元気な場合の胎盤や臍帯は
やっぱりぷりぷりで元気です。
母親が妊娠高血圧があると胎盤が脆く小さい場合が場合があります。
それでも赤ちゃん自身はしっかり生きていこうと頑張っていて
元気に生まれてきます。その場合は頑張ってくれて赤ちゃんに感謝、感謝です。

ご自身の妊娠するときや、妊娠生活が赤ちゃんにとって望ましいものであったか知ることは
次の妊娠にむけて、とても大切なことです。
是非、胎盤と臍帯の確認をおすすめします。

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