子育てママの相談室

子育て頑張りすぎていませんか? 赤ちゃんの気持ちに気付いていますか?
子育てママの相談室から助産師・福田純子が 楽しい子育てを応援する小さなエッセイお届けします。
うれしいことも悲しいことも楽しいことも苦しいこともみんな人生の宝物。

2009年10月

マイ助産師をもとう

毎週のメールマガジンと平行してブログも開きました。
内容は同じです。
どちらかに書き込みして意見や質問をいただければ
お答えしていきたいと思います。
数学のように答えがいくつもある場合は
なるべく個々に選択できる様に
いくつかの提案をしていきたいと思っています。

なかには「これしかない」と言う場合もありますが、
どれを選択しても結果に大差はないこともあります。
むしろ答えがひとつのほうが迷わなくていいのかも知れません。

私たち助産師は、ママと赤ちゃんの為に最善を尽くし命を守りたい、という
原点は同じでも、それぞれに様々な人生を背負っているので
当然、ものの見方や考え方、価値観は様々です。

助産師のなかには、いろいろ提案するとママが混乱するので
一方的に「こうしなさい」とやり方を限定し指導する方もいれば
いくつかの選択肢を示し、ママに選んでもらうような指導をする人もいます。
お互いに良く知り、信頼関係が出来ている場合は、
ママの性格や赤ちゃんの様子にあわせた指導ができますが、
一般的にAさんにもBさんにもCさんにも共通に指導するとなると
いくつかの方法を提示して自分に合わせてもらうしかありません。
限定した指導は、ともすれば助産師の思い込みで押し付けになり
ママに大きな精神的な負担を負わせてしまうことがあります。
とはいえ、様々な情報の中から自分に合った方法をチョイスするのも
難しい。自分で選んで良いと思っていても、「それでいいの?」なんていわれると
たちまち自信をなくしてしまう・・・

では、どうすれば良いのでしょう。
私がお勧めしたいのは、是非「マイ助産師」を決めることです。
お産を扱ってくれた助産師でも、新生児訪問にきた助産師でも
産院や相談会で出会った助産師でも
この助産師の考え方や指導が自分には合っていると思う助産師を
是非見つけて欲しいと思います。

できれば妊娠中から出産、産後のこと、育児、更年期にわたる様々な
ステージでずっと関わっていける「マイ助産師」を見つけられたら
とっても心強いと思います。
本来、助産師は地域のなかで、そうした女性の駆け込み寺的な存在でした。
時代が変わり、世の中の流れや需要が変わり、
お産の様子も随分変わってきました。
それでも、女性が子供を産むことには変わりはなく、女性が命の源であり、
賢い母から賢い子が育ち、日本の国を支えていくのですから
やはり、きちんとした子育てが社会の基本なのです。

幸せな子供時代を過ごした人は、素直に人を信じることが出来ます。
人を信じて愛することができる人は、どんな逆境でも踏みとどまることができます。

結婚し社会的にも責任と義務を果たし、夫と一緒に妊娠を喜び、
出産への身体的・精神的・経済的な準備を整え、
生まれた子が元気でも病気でも、どのような子供であっても、
あるがままを受け入れ、守り、食事や身の回りの生活の必要を与え
学校に行かせ、人として命を守ることや、人への思いやりや優しさや
夢を持つことや、夢を実現するために努力することの素晴らしさを教え
両親をモデルに生きることや、愛することを学習し、
やがて愛する人にめぐり合い、巣立っていく・・

そんなライフサイクルの要は、いつの時代も女性でした。
きっと、これからも・・・
子供をきちんと育てることは、
表立って政治を動かしたり、マスコミで活躍することより
はるかに偉大な仕事なのだと思います。

出産一時金

10月から出産一時金が42万円に・・・で、思うこと。

出産にかかわる費用は自費ですから、
出産一時金が増えるのは大助かりですね。
ただし、ちゃんと健康保険料を支払っている場合です。

日本は国民皆保険であると学校で習い、
本来日本国民は、だれもが社会保険、国民保険、組合保険など
何らかの保険にはいっているはずで、それに付随した年金に加入することが
国民の義務であると知らされていたはずが
実際は、健康保険に入っていない人が結構いるんですね。

保険は、病気になったとき経済的な負担が少ないようにとの相互扶助。
病気にならないから良いとか、経済的に無理という理由で保険に加入していないために、
高額の医療費は支払えないと、病院に受診しても会計を支払わない、
入院しても退院時に支払い拒否、など信じられない場面に
病院にいると日常的に遭遇します。

無銭飲食したら警察に捕まるのに、病院の支払いをしなくても何の咎めも無く、
医療費の未払いを理由に診療を断れば訴えられ、
そうした未払いの医療費の負担から病院は赤字になり、
経営が行き詰まり病院閉鎖、そうすると地域から無責任と言われ・・・

産科も同じ。
出産費用が無いために、出産しても未払いのまま。
同じ病院には行けないから、出産するたびに病院を変えて
だからといって病院は診療を拒否できず・・・
出産して子育てする経済的な裏づけがなければ子供は産まないで、
なんていったら大問題。
ただでさえ少子化の日本が今の高齢社会を支えていくためには
ちゃんと次の世代を産み出していかなくてはいけない・・・

だから日本政府は考えた!

経済的な理由から検診を受けることができない、なんてことが無いように
無料の検診券を14枚にした。
出産一時金を42万円にした。
日本国民として健康保険に加入するという最低の義務を果たしていれば
また事前手続きをすれば、退院するときに40~50万円前後の出産の費用を
用意しなくても良いのです。
また、育児手当や、乳幼児医療、子育ての様々支援は年々充実していきます。

子供を出産するということは、成り行きでは困るのです。
愛し合う男女が暮らし、子供が産まれ、子供を育てていく上では
独身で自分のことだけ考えていた時とはちがい、
子供の為に様々な制約も受けるでしょうし、お金もかかります。
もしかしたら、子供の為に大きく人生の軌道が変わるかもしれません。
たとえ、子供の為に予期せぬ人生となったにしても
それでも、子供を産んで育てるという覚悟が無ければ親も子も不幸です。
気持ちの上でも、実際の生活のうえでも、経済的にも準備が大事です。
お金さえあれば良いのではありません。
人として「きちんとした生活」を送ることができて一人前です。
出産や育児は、その先にあって欲しいと思います。

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