子育てママの相談室

子育て頑張りすぎていませんか? 赤ちゃんの気持ちに気付いていますか?
子育てママの相談室から助産師・福田純子が 楽しい子育てを応援する小さなエッセイお届けします。
うれしいことも悲しいことも楽しいことも苦しいこともみんな人生の宝物。

2009年10月

母乳量測定について


母乳量測定については賛否両論があって、行っている施設と
全く行っていない施設、必要に応じて行うなど様々です。

母乳量の測定は、授乳前に体重を測り、授乳。授乳後、体重を測り
その差が、赤ちゃんが母乳を飲んだ量というわけです。
赤ちゃんが、どのくらいママの母乳を飲むことが出来るかを知るために行います。
母乳測定した量は「母乳がでる量」ではありません。
赤ちゃんが「飲んだ量」です。
よって、測定した母乳量だけで、母乳の分泌の良し悪しを判断することは軽率です。

母乳量測定について賛否両論があるということは、必ずしもメリットばかりではないからです。

メリット
*母乳量測定することで哺乳量を知ることが出来る。

赤ちゃんがしっかり吸っているのに量にならない場合
・母乳生産量不足
→自然な経過では出産後2~3日ころから生産量がアップ。
→適度な乳房刺激のマッサージ、十分な休養と栄養などが必要。

・母乳分泌量不足
→生産はされているのに乳腺のなかで溜まってしまい外に出にくい。
→乳腺開通をしっかりして、上半身のストレッチなどで血流、リンパの流れをよくする。

乳緊もあり母乳分泌は良いのに量にならない場合。
・授乳の姿勢がいまいち
→ママも赤ちゃんも快適な無理のないポジションの工夫。しっかり乳輪部まで深く咥えさせる。

・哺乳力が弱い
→早産や低出生体重の赤ちゃんは、力をつけてくれるまで忍耐強くまつ。
→すぐに疲れてしまう場合は無理せず搾乳した母乳を与えることも考慮する。
→哺乳力はだんだん強くなるので練習は大事。赤ちゃんの発育をみながら練習していく。
→1回の授乳で量的には十分といえなくても、そこそこ量になってる場合

・赤ちゃんが寝てしまう
→授乳の間隔を短くして泣いたら授乳をしていく
→ママが疲れない限り赤ちゃんの要求に合わせた頻回授乳。

・赤ちゃんが泣いてしまう
→生後日数に合わせたミルクの補足。
→ミルクをたくさん飲んでしまったあと長く寝すぎてしまうのは与えすぎ。
→だいたい3時間くらいでお腹が空くくらいで調整する。
→あるいは乳房のトラブルを起こさない程度の補足とする。

以上のことはママ一人では判断できないことも多いので、スタッフと相談しながら進めていきましょう。
といっても、スタッフによって指導がばらばらだったりすることもあるのが現状。
あくまでも母乳育児を推進するための母乳量測定なのですが、
スタッフの価値観や母乳育児への思い入れは様々で、数学のように答えがひとつではない状況では
指導方法を一本化することの難しさを感じています。
それによって振り回されてしまうママたちには申し訳ないのですが、
子育てしていく上での最初の難関だと思ってください。
子育て上の様々な出来事の中で、専門家の指導は必ずしも同じではありません。
道はいくつもあり、アドバイスも幾通りもあり、最終的には納得して選んでいくのは
ママ自身です。責任回避のように聞こえるかもしれませんが、指導するスタッフは
価値観や思い入れは違っても、それぞれにより良い方法をアドバイスしています。
何人ものスタッフから違う意見が聞かれたときは、逆に道はひとつではなく
選択肢はいくつもあると緩やかな視点で自分のやり方を見つけていって欲しいと思います。

母乳量測定はあくまでも目安です。今日少ないからといって、ずっと少ないわけではありません。
生後数ヶ月の授乳量は体重増加に反映され、体重増加は赤ちゃんの発育に反映されるので
体重が増加していることは大切なことです。
しかし、不思議なことに哺乳量イコール体重増加かといえば、そうでもなく、
赤ちゃん側の栄養吸収率もあるので、そこそこの量でもしっかり体重が増える子もいます。

*デメリット
・母乳測定量が少ないとママは落ち込んでしまう。
・「これしか出ない」と自分を責めがち。
母乳量測定は、ともすれば、数字に一喜一憂し、赤ちゃんの満足した表情よりも数字に目がいき
数字で全てが示されないと不安になるママを作り出してしまう恐れがあります。

マニュアル化できないのが子育てです。
どうしたらいいのか迷いの中で、自分を見つめ、赤ちゃんを見つめ、感じて、考えていくことが
子育てなのだと思います。「育児は育自」まさしく自己成長のときですね。


頑張ることについて

母乳で育てる意味

数回前から内容同じでブログも始めていますが、そちらに届いたメール。

母乳育児を進めていくのに、みんな「頑張れ、頑張れ」と言うだけで
具体的な方法や注意点を指導してくれない、
気持ちはあっても、具体的にどう頑張ったらいいかわからない。
気持ちだけでは続かない・・・・

確かにそうですね。
ほとんどの方が、母乳で育てたいと思っています。
でも、その思いの深さは様々です。
なんとなく母乳が良いらしい、できれば母乳でと思っている方もいれば
何が何でも母乳、ミルクは一切与えたくないとこだわっている方もいます。
自分は母乳にこだわっていないのに、周りからなぜ母乳にしないのかといわれたり、
その逆で、別に母乳にこだわらなくてもいいと言われたり・・・
そのいろいろ「周りで言う人たち」は親であったり、友人であったり
病院の医師や助産師、保健センターの保健師といった専門家であったり。

人それぞれに母乳や育児への思い入れが違うので、同じアドバイスでも
励ましになる場合もあれば、負担になる場合もあります。
また、アドバイスする側の考え方も様々ですから
同じ状況でも様々な結果に結びついていきます。

ただ、どういう状況であっても、子供を育てるうえでの基本は
親も子も「幸せを感じられること」です。
子育てしていく上では、面倒なことも、うんざりすることもあるけど、
静かに現状を見つめてみると、やっぱり幸せだなあ、とか楽しいなあと
感じられる子育てでありたいと思います。
ママが子育てを楽しめると子供も嬉しくなりますね。
子供はママが大好きです。
ママが子育てに疲れイライラしてしまうと、子供は、その原因である「自分」の存在を
「大好きなママを苦しめている自分」と否定的に捉えてしまい、
自己肯定感が育ちにくくなります。

子供の体が育つためには適切な栄養が必要ですが、人は体だけの存在ではありません。
心も同時に育っていきます。
母乳は体の栄養でもありますが、心の糧でもあります。
良い母乳であるためには、ママも栄養的にバランスの取れたもので
しっかり体作りがされることが必要です。
心を育てるためには、赤ちゃんが母乳を飲むたびに安心できることが大事です。
ママに抱かれて安心し、美味しい母乳を飲むことで
赤ちゃんの脳の中で成長刺激ホルモンが分泌されて、体も心も成長できます。

母乳であることだけにこだわり、疲れてイライラしながらの授乳や
テレビをみながら、あるいは携帯で電話やメールしながらの授乳は、
心ここにあらずで、赤ちゃんに不安を与えます。
赤ちゃんには

*「安心しながらおっぱいを飲む」ことが何より大切なこと。


母乳育児を啓蒙し、母乳にこだわって欲しいと願う私ですが、
様々な方法をアドバイスしながらも、方法論にこだわって
一番大切なことを見失っては本末転倒。
是非是非、「赤ちゃんが安心できること」から全てを始めましょう。
それでないと何のために頑張るのかわからなくなって
ただただ頑張れのエールのなかで自分自身が疲れてしまいます。

完全母乳でも、混合でも、ミルクでも、
赤ちゃんが心身ともに健やかに育っていることが大切。

日本の粉ミルクは衛生的に作られているし水もきれいなので安心です。
それでも母乳が推奨されるのは「ママのおっぱいを飲む」
という行為が赤ちゃんの脳を刺激し、食欲を育て、
赤ちゃんの唇にふれるママの体温や柔らかな肌の触感が
赤ちゃんの感性に働きかけて、赤ちゃんに安心感を与えるためです。

母乳で育てようと思ったときからの悪戦苦闘の中でのママの思いは
実は赤ちゃん自身がママを育てていること。
他人事みたいで恐縮ですが、大いに悩んで考えて試行錯誤してみてください。
その中で、自分と赤ちゃんのテンポを見つけることが大事なんです。
子育ては、そんなことの連続です。
そのなかで具体的に出てきた質問には的確なアドバイスが受けられるはずです。

きっと周りからの「頑張れ」の中には、そうした思いがあるのだと思います。

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