子育てママの相談室

子育て頑張りすぎていませんか? 赤ちゃんの気持ちに気付いていますか?
子育てママの相談室から助産師・福田純子が 楽しい子育てを応援する小さなエッセイお届けします。
うれしいことも悲しいことも楽しいことも苦しいこともみんな人生の宝物。

2009年09月

おかあさんの匂い

「おかあさん」「なあに」
「おかあさんていい匂い」
「お料理している匂いでしょう? 卵焼きの匂いでしょう?」

この歌、ご存知ですよね。
1番は料理の匂い、2番は洗濯の匂い。
お母さんの匂いは生活の匂いなんですね。
子供にとってのお母さんは、機械や書類に埋もれて働く人ではなく
自分や家族の為にご飯を作ってくれて、洗濯をしてくれて、
ちゃんとした暮らしができるために頑張ってくれている人。

社会の変化で、家庭の中でのお父さんの役割、お母さんの役割が
大きく変化してきています。
それでも、小さな子供にとって、自分を優しく抱きしめ命を守ってくれるのは
おかあさん。お父さんは、母親が安心して子供を抱きしめることができるよう守る人。

生まれたばかりの赤ちゃんは匂いに敏感です。
人間以外の哺乳動物はみな生まれてすぐに母乳を求めて動き出します。
猫も犬も牛も馬も生まれてすぐに動き出すし、数時間で立ち上がります。
いるかや鯨も海の中に産み落とされて、そのまま泳ぎだします。
哺乳動物の中で人間の赤ちゃんだけが、非常に未熟な状態で生まれてきます。
誰かの手を介さないと、安全に生まれてくることができません。
そのあとも、ちゃんとお世話しないと生きていくことはできません。
そんな未熟な状態であるにもかかわらず生まれたばかりの赤ちゃんを母親の胸に乗せると
母乳を求めて、もそもそと動いて手をチューチューなめたりします。

羊水の匂いは母親の汗の匂いと似ています。
出産を終えて汗まみれになった母親に抱かれると、おおきな産声で泣いていた赤ちゃんは
安心して静かに呼吸しはじめます。
赤ちゃんは羊水と血液のまじった独特の匂いです。
は、お互いにそうした匂いに包まれることで
母親は母としての本能(母性本能)が刺激され、わが子をいとしく感じ、
赤ちゃんは自分を守ってくれる存在を匂いとともに認識します。
そカンガルーケアの瞬間の重要さに多くの医療者たちが気付いて
カンガルーケアをする病院は当たり前になってきたし、
出産後も沐浴をしないことで赤ちゃん皮膚バリアが守られ本来の生理機能が高まる
という考え方から退院の日に初めて沐浴する病院もあります。

その後も、赤ちゃんの表情をよく観察していると、母親に抱かれたときと
他の人に抱かれたときでは微妙な違いがあることに気付きます。
赤ちゃんは母親の匂いを認識しています。
生まれたときからずっと包まれていたお母さんの匂いは
その後の赤ちゃんの人生の中での母親の匂いです。
それは実際の匂いとしてではなく、記憶の中に
「母の匂い」として刻み込まれ、辛いときや寂しいときに心の奥で
自分を包んでくれる優しさの象徴となるようです。

人それぞれの母親の匂いがあります。
あなたが出産したわが子を、誰よりもいとしいと感じた瞬間の匂いです。



赤ちゃんの聴力について

前回は赤ちゃんの目について述べました。
今回は赤ちゃんの聴力について。

赤ちゃんの耳はいつから聞こえるのでしょう。

様々な研究の結果から妊娠25週前後で既に聞こえるのではないかと言われています。
胎児心音を聴くドップラーや分娩監視装置やエコーでお腹をなでる音は
お腹の中の赤ちゃんにはヘリコプターの爆音のように聞こえるのではないかと
いった研究者がいました。当然テレビの音やママとパパの話し声も聞こえているし
ママの心臓の音や羊水の流れる音は、子守唄なのかもしれません。
妊娠中に良い音楽を聴いたり、楽しい会話をしたり、ママがリラックスしていることは
とても赤ちゃんにとって心地の良いことのようです。
胎教といういう考え方も、そうしたところから出ているようです。
生まれたばかりの赤ちゃんが泣き止まないときに聴かせるCDやオルゴールがありますが
ドクドクという心臓のリズムを聞いたことがあるでしょう。あの音を聞かせると
安心するのか、不思議と赤ちゃんが落ち着いてきます。
胎教で音楽というと、クラッシックでなければと思いがちですが、そんなことはありません。
クラッシックは誰の心をも落ち着かせる揺らぎがあるようですが、好きな音楽は人それぞれ。
ロックを聴いて落ち着く人もいれば、ジャズが大好きという人もいます。
名曲を聴くことが大切ではなく、ママが好きな音楽を聴いて、
何よりママがリラックスして心地良くなることが大事です。
生まれた赤ちゃんに妊娠中に聴いていた音楽を聴かせると、やはり良い表情になります。
ちゃんと聴いていた証拠です。

生まれたばかりの赤ちゃんの聴力はかなりのもので、
大人が聞こえる周波数の枠外の音まで聞こえています。
私が出産したとき、赤ちゃんの聴力について研究している耳鼻科の医師がいて
私も実験に協力しましたが、生まれて2日目頃に聴力検査をしたところ
私たちの耳では聞こえないかなりの音が聞こえることが実証されました。
赤ちゃんの聴力が生後何日目が一番良くなるのか、
あるいはどの程度の個体差があるのかまでは、まだまだ研究が必要のようですが
赤ちゃんの聴力はその後、徐々に「普通」になり25歳をすぎるとぐんと落ちてくるそうです。
恐るべし! 赤ちゃん!
私たちの心の声なき声も聞き分けているのかも・・・・?

昔は生後半年くらいで、呼んでも振り向かないとか、音がしても反応しないとかで
耳が聞こえないことに気付くことが多かったのですが、
今は出産施設で聴力検査をするところが増えています。
耳がの聞こえが悪い場合、なるべく早くから治療することで聴力を回復できたり
言葉の習得に遅れが出ないようにするために
県でも小児科医とともに聴力検査を勧めています。
ただし、今のところ自費なので、全員が聴力検査を受けているわけではありません。

出産施設で聴力検査をうけなかった場合、耳が聞こえているのか心配な場合は
静岡市では保健福祉センターに検査の窓口があるので相談してみてください。
耳の聞こえは、言葉の遅れにつながるので、早い段階で周りが気付いてあげることが
大切です。

生まれたばかりの赤ちゃんでも、ママの声のトーンでママの機嫌がわかります。
オムツを替えるとき、抱っこするとき、寝かせるとき、返事はしなくても
ちゃんと赤ちゃんは聞いています。いっぱい話しかけてあげてください。
もちろんお腹のなかにいる赤ちゃんにも。
言葉が話せるようになったとき、それまでたくさん話しかけられた子は
ちゃんと言葉が理解ができて話せるようになります。
赤ちゃんの潜在意識にはいった言葉は赤ちゃんの宝物になりますね。

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