子育てママの相談室

子育て頑張りすぎていませんか? 赤ちゃんの気持ちに気付いていますか?
子育てママの相談室から助産師・福田純子が 楽しい子育てを応援する小さなエッセイお届けします。
うれしいことも悲しいことも楽しいことも苦しいこともみんな人生の宝物。

出産一時金

10月から出産一時金が42万円に・・・で、思うこと。

出産にかかわる費用は自費ですから、
出産一時金が増えるのは大助かりですね。
ただし、ちゃんと健康保険料を支払っている場合です。

日本は国民皆保険であると学校で習い、
本来日本国民は、だれもが社会保険、国民保険、組合保険など
何らかの保険にはいっているはずで、それに付随した年金に加入することが
国民の義務であると知らされていたはずが
実際は、健康保険に入っていない人が結構いるんですね。

保険は、病気になったとき経済的な負担が少ないようにとの相互扶助。
病気にならないから良いとか、経済的に無理という理由で保険に加入していないために、
高額の医療費は支払えないと、病院に受診しても会計を支払わない、
入院しても退院時に支払い拒否、など信じられない場面に
病院にいると日常的に遭遇します。

無銭飲食したら警察に捕まるのに、病院の支払いをしなくても何の咎めも無く、
医療費の未払いを理由に診療を断れば訴えられ、
そうした未払いの医療費の負担から病院は赤字になり、
経営が行き詰まり病院閉鎖、そうすると地域から無責任と言われ・・・

産科も同じ。
出産費用が無いために、出産しても未払いのまま。
同じ病院には行けないから、出産するたびに病院を変えて
だからといって病院は診療を拒否できず・・・
出産して子育てする経済的な裏づけがなければ子供は産まないで、
なんていったら大問題。
ただでさえ少子化の日本が今の高齢社会を支えていくためには
ちゃんと次の世代を産み出していかなくてはいけない・・・

だから日本政府は考えた!

経済的な理由から検診を受けることができない、なんてことが無いように
無料の検診券を14枚にした。
出産一時金を42万円にした。
日本国民として健康保険に加入するという最低の義務を果たしていれば
また事前手続きをすれば、退院するときに40~50万円前後の出産の費用を
用意しなくても良いのです。
また、育児手当や、乳幼児医療、子育ての様々支援は年々充実していきます。

子供を出産するということは、成り行きでは困るのです。
愛し合う男女が暮らし、子供が産まれ、子供を育てていく上では
独身で自分のことだけ考えていた時とはちがい、
子供の為に様々な制約も受けるでしょうし、お金もかかります。
もしかしたら、子供の為に大きく人生の軌道が変わるかもしれません。
たとえ、子供の為に予期せぬ人生となったにしても
それでも、子供を産んで育てるという覚悟が無ければ親も子も不幸です。
気持ちの上でも、実際の生活のうえでも、経済的にも準備が大事です。
お金さえあれば良いのではありません。
人として「きちんとした生活」を送ることができて一人前です。
出産や育児は、その先にあって欲しいと思います。

完全母乳の落とし穴

先日、こんなタイトルで新聞に記事がありました。
真夏の暑い日、母乳だけでやっていて脱水を起こしたというもの。
完全母乳が悪いようなタイトルに、ちょっとムッ!!
方法論の問題で、決して完全母乳が良いとか悪いとかの問題ではないのに
誤解されやすいなあ、と母乳を推進するものとしては残念です。
私もメルマガの中では、母乳育児の落とし穴的なことは書きますが
あくまでも正しい適切な方法、ルールを守ることが大事だよ、という
母乳育児を前提にした注意やら警告です。
一般の人向けではありません。

「だから、ミルクもあげなさい」なんて母乳で頑張ってるママに
水を差すような助言がいかないことを祈りつつ・・・
「落とし穴」に落ちないための方法を。

以前、新生児訪問をしたとき、授乳は3時間空けなければいけないと思っているママがいて、
母乳は良く出るのに、母乳だけでは2時間くらいで泣いてしまうので、
ミルクを足して3時間ごとに授乳をしていた方がいました。母乳はトラブルなく経過。

そのリズムで生活が順調に回っているようだったので
それでママが安心して育児できるなら「それも良し」と思ってのですが
ママとしたら「母乳だけでできるなら母乳だけでやりたい」
ということだったので、母乳の分泌状態、赤ちゃんの体重増加から
十分母乳だけでやっていけると思い、3時間空けなくていいので
基本的に「泣いたら母乳」を勧めました。

もともと母乳だけで2時間はもつ赤ちゃんだったし、
それほど負担になるとは思えず、
ただし、疲れたら適宜ミルクを足して休むようにと逃れ道も用意して。
そのご1週間後に体重をチェックするように計画しました。

数日後、夕方、電話があり、
「泣いたら授乳していたが、今日は泣かないので授乳してないが良いのか?」と。
聞けば、朝授乳し、その後泣かないので放って置いたが、
いささか8時間を過ぎても泣かないので心配になった、とのこと。
泣かないのでオムツも替えてない、とのこと。
すぐにオムツを替えて授乳するように話しました。

3時間授乳の根拠は、生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんが
体内に保持できる水分が保持できる時間。
もちろん体重や生後日数にもよるので2時間が限度の子もいれば
5時間くらいは様子を見ていい場合もあります。
また、粉ミルクが胃の中で消化されて胃に負担をかけない時間でもあります。
母乳は粉ミルクに比べて消化時間が早いので、同じ量であれば
母乳のほうが早くお腹が空いてしまうし
その分、胃腸への負担が少なく、早め早めの授乳になります。
母乳育児では3時間あける必要はありません。
泣いたらいつでも母乳を、が基本です。

かといって、赤ちゃんがぐっすり眠ってしまい
お腹が空いても泣く気力もなくぐたっとしているとき
泣かないからと授乳をしなくても良いわけではありません。
泣かなくても3~5時間では授乳をしましょう。
オシッコが黄色やオレンジになっているときは水分不足です。
1回の母乳量が足りないかもしれません。
特に気温が高い日は、こまめな授乳が必要です。

文章に書いたり、電話で話したりでは十分にこちらの意図が
伝わらないことがあります。
こうして書いている今も、何だか断片的で足らない気がします。
面と向かって話せば、互いに理解の程度がわかりますが
メールの限界ですね。

完全母乳育児をする上では、赤ちゃんの機嫌、オシッコの回数、量、色
体重増加、発達具合、皮膚の張り、など赤ちゃんをしっかりみて
「あ~でもない」「こ~でもない」と、ママの五感をしっかり使って考えることで、
理論だけではなく、ママの感性が磨かれていきます。
自分を信じて、赤ちゃんを信じて、適切な母乳育児を進めていきましょう。

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